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COLUMN 03

新たな地域医療構想と
医療機関機能の5分類

2040年に向けた地域医療構想の全体像。急性期拠点・高齢者救急など新たな5つの医療機関機能と、構想のスケジュールを解説します。

地域医療構想の背景 ─ なぜ「新たな」構想なのか

2040年頃、日本は85歳以上の高齢者人口がピークを迎える一方、生産年齢人口は大幅に減少します。医療・介護の複合ニーズを持つ高齢者が増え、高齢者救急や在宅医療の需要が急増する中で、医療従事者の確保はますます困難になります。

従来の地域医療構想(2015年〜)は主に病床の機能分化(高度急性期・急性期・回復期・慢性期の4区分)に焦点を当てていましたが、これだけでは2040年の課題に対応できないとの認識から、2026年3月に「新たな地域医療構想に関するとりまとめ」が公表されました。

新たな5つの医療機関機能

新構想では、従来の「病床機能」に加え、「医療機関機能」という新しい概念が導入されました。各医療機関は2028年度までに、以下の5つのいずれか(複数可)を担う機能として届け出ることになります。

1. 急性期拠点機能

手術や救急医療など、医療資源を多く要する症例を集約して提供する機能です。人口20万〜30万人の単位で1つ確保することが目安とされ、24時間体制の緊急手術対応や高度な救急医療を担います。人口の少ない地域では圏域に1つ確保・維持が基本です。

2. 高齢者救急・地域急性期機能

誤嚥性肺炎や心不全など高齢者に多い疾患の救急搬送を受け入れ、入院早期からリハビリテーション・栄養管理・口腔管理を提供して早期退院につなげる機能です。「治し支える医療」として、急性期拠点とは異なる役割を担います。介護施設の協力医療機関としての機能も求められます。

3. 在宅医療等連携機能

在宅医療や訪問看護を自ら提供するとともに、地域の診療所の後方支援(24時間の相談対応・急変時の入院受け入れ)を担う機能です。介護施設との平時からの連携体制構築も含みます。

4. 専門等機能

集中的なリハビリテーション(回復期リハ病棟等)、中長期の入院医療(療養病棟等)、有床診療所の機能、あるいは特定の診療科に特化した診療(整形外科の手術専門病院等)を行う機能です。

5. 医育及び広域診療機能

大学病院本院等が担い、高度な医療の提供に加えて医師の育成を行います。都道府県と連携して急性期拠点等への医師の人的協力(派遣)を行う役割も含みます。

💡 「報告」と「協議」のスケジュール
各医療機関は「医療機関機能報告」によって自らの機能を報告し、地域医療構想調整会議でのデータに基づく協議を経て、遅くとも2028年度までに2040年に向けて担う機能を決定します。2035年を目途に具体的成果の確保を目指すスケジュールです。

必要病床数の推計方法の見直し

新構想では、病床数の推計方法も大きく見直されます。

結果として、多くの地域で「必要病床数」は現在の許可病床数より少なくなる見通しです。ダウンサイズや機能転換が現実的なテーマとなります。

構想区域の見直し ─ 二次医療圏の広域化

現在の二次医療圏の半数近くが人口20万人未満となっており、圏域内で入院医療を完結させることが困難な地域が増えています。新構想では、患者の流出入や人口動態を踏まえて構想区域を広域化することが検討されます。第9次医療計画(2030年〜)では、二次医療圏は構想区域と原則一致させる方針です。

医師確保計画との連動

地域医療構想と表裏一体の課題が医師の偏在です。「医師偏在指標」に基づき、医師少数区域への派遣調整や地域枠医師の配置、「重点医師偏在対策支援区域」への財政的支援などが進められています。

特に注目すべきは、急性期拠点機能を担う医療機関が大学病院から人的協力を受ける一方で、地域の医療機関への代診医・当直医の確保にも協力するという「双方向の支援」の枠組みです。

データに基づく分析の重要性

新たな地域医療構想の策定・推進にあたって、データに基づく現状把握と将来推計がこれまで以上に重要になっています。

これらのデータを組み合わせた分析が、自院の将来戦略の立案や、地域医療構想調整会議での議論の基盤となります。

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